福岡市で内視鏡検査、胃がんを見逃さない重要性―りょうすけ内科外科コラム

胃がんを見逃さないためには、定期的な内視鏡検査が非常に重要です。内視鏡検査は、胃の内部を直接観察し、異常な部位を発見するための最も効果的な方法の一つです。早期の胃がんは特に症状が少ないため、定期的な検査による早期発見が治療成功の鍵を握ります。今回は、福岡市内で内視鏡検査のできる医療機関をお探しの方へ向けて、胃がんの原因や症状、リスクファクターを解説し、胃がんを見逃さないための方法をお伝えします。

1.胃がんとは

胃がんは、胃の組織に発生する悪性腫瘍です。これは一般に、胃の内壁を覆っている粘膜細胞が異常増殖することによって発生します。胃がんは多様な種類があり、その発生、進行、治療法には大きな違いがあります。主な分類について詳しく説明します。

①組織型による分類: 胃がんはその細胞の型によっていくつかのタイプに分類されます。

    ・腺がん: 最も一般的なタイプで、胃の粘膜の腺細胞から発生します。

    ・扁平上皮がん: 胃の扁平上皮細胞から発生しますが、非常に珍しい。

    ・悪性リンパ腫: 胃のリンパ組織から発生します。

    ・間質腫瘍: 胃の筋肉や神経組織から発生することがあります。

②進行度による分類: 胃がんはその進行度によってステージが分けられます。

    ・ステージ0: 非常に初期のがんで、粘膜層に限定されています。

    ・ステージI: がんが粘膜下層にまで及んでいるが、胃壁を越えて広がっていない状態です。

    ・ステージII: がんが胃壁の深い部分や周囲のリンパ節に広がっている状態です。

    ・ステージIII: がんが胃の外のリンパ節に大きく広がっている状態です。

    ・ステージIV: 遠隔転移があり、他の臓器にがんが広がっている状態です。

胃がんの診断と分類は、治療計画を立てる上で非常に重要です。内視鏡検査、組織学的検査、画像診断などを用いて、がんのタイプ、位置、進行度を正確に把握することが必要です。

2.胃がんの各ステージ別の生存率について

胃がんの生存率は、発見されたステージに大きく依存します。具体的な数字はあくまで目安であり、最新の統計データや特定の医療機関での成績を確認することが重要です。

 5年生存率

・ステージ0: ほぼ100%に近い。このステージではがん細胞は胃の表面の粘膜に限定されており、早期治療によって完治する可能性が高い。

・ステージI: 70%~90%。ステージIのがんは、まだ比較的早期であり、適切な治療によって良好な予後を期待できる。

・ステージII: 30%~70%。ステージIIのがんは、胃の壁を越えて周囲の組織に広がり始めたり、近くのリンパ節に転移している場合があります。

・ステージIII: 10%~50%。ステージIIIではがんがさらに進行し、多くのリンパ節に影響を及ぼすことが多く、予後は不良です。

・ステージIV: 4%以下。ステージIVのがんは遠隔転移を伴い、治療が困難であり、予後は非常に悪い。

これらの生存率は過去のデータに基づいており、個々の状況や利用可能な最新治療法によって大きく変わる可能性があることを留意してください。

ただし、ステージが低いほど生存率が上がるのは確かです。早期発見早期治療の重要性をお分かりいただけると思います。

  • 内視鏡検査の重要性と定期検査について
    • 内視鏡検査が重要な理由

・早期発見・早期治療

内視鏡検査は、消化管の病変を直接視覚化し、早期に発見するための最も効果的な手段の一つです。特に、胃がん、大腸がん、食道がんなどの消化器系のがんは、早期に発見することで治療の選択肢が広がり、生存率が大幅に向上します。早期がんは症状が少ないか全くないことが多いため、内視鏡検査による定期的なチェックが重要です。

・正確な診断

内視鏡検査では、異常が見つかった場合にその場で組織のサンプルを採取(生検)し、精密な診断を行うことが可能です。これにより、患者さんに最適な治療法を迅速に選択し、実施することができます。

・予防的治療

ポリープのようながんの前段階となる病変を、内視鏡検査中に発見し、除去することで、がんへの進行を予防することができます。

3.定期健康診断のすすめ

胃がんは世界的にも発症率が高いがんの一つであり、アジア人には比較的多いがんと言われています。多くの場合、初期段階では自覚症状がほとんどないため、病気が進行してしまう前に発見することが非常に重要です。そのため、定期的な健康診断の中で行われる内視鏡検査は、胃がん予防と早期発見のための最も強力なツールの一つと言えます。

健康診断の頻度は、個人の年齢、健康状態、リスクファクターによって異なりますが、一般的には2年に1回の内視鏡検査を推奨します。特に、胃がんリスクが高い方や、40歳以上の方は、年に1回の定期的な健康診断で内視鏡検査をおすすめします。

私たちの健康は、積極的に管理することで守ることができます。定期的な健康診断と内視鏡検査を通じて、胃がんのリスクを低減させ、より健康で長い人生を送りましょう。あなたとあなたの家族のために、内視鏡検査を定期的に受けることを検討してください。