胆石症の治療は福岡市の消化器内科・外科のある病院へーりょうすけ内科外科コラム

胆石症は、胆のうに石が形成される病気であり、時に激しい痛みを伴います。放置すると胆のう炎など合併症を引き起こす可能性があります。この痛みを根本から解消するためには、専門医による正確な診断と、適切な手術により石を取り除くことが必要です。福岡市内で胆石症の手術を検討している方々にとって、専門医である消化器内科・外科医の存在は心強い味方となります。今回は胆石症についてその原因や治療方法、予防方法など解説していきます。

1.胆石症とはなにか

胆石症は、胆嚢や胆管内に結石(石状の塊)が形成される疾患です。

症状について

・腹痛: 胆石が胆嚢や胆管を詰まらせることで腹痛が生じます。痛みは右上腹部に局所化し、突然の発作的な痛み(胆石症の発作)や持続的な腹痛として現れることがあります。

・吐気や嘔吐: 胆石を放置した結果、石が胆管に詰まり、胆汁の流れが阻害され、吐気や嘔吐が生じる場合があります。

・黄疸: 胆石が胆管を詰まらせると、胆汁の流れが阻害され、黄疸が生じます。胆汁中のビリルビンが体内に十分に排泄されず、ビリルビンが血液中に蓄積され、膚や目の白い部分が黄色く変色する黄疸が生じます。

・胃腸の不快感: 胆汁の正常な流れが阻害されることで、消化不良や膨満感、下痢、便秘などの胃腸の不快感が生じることがあります。

胆石ができる原因について

・コレステロール結石: コレステロールが過剰に胆汁中に存在する場合、コレステロール結石が形成されることがあります。肥満、高脂血症、食事の脂肪摂取過多などがリスク要因です。

・黒色胆石: 胆汁中のビリルビンが異常に高濃度になることで、黒色胆石が形成されることがあります。肝臓や胆道の疾患、溶血性貧血などがリスク要因です。

一般的な治療について

胆石症の治療方法は、症状の程度や患者の状態によって異なります。以下に一般的な治療方法をいくつか紹介します。

・経過観察

胆石症の症状が軽度であり、合併症のリスクが低い場合、特に症状がない場合は、経過観察の方針が取られることがあります。定期的な検査や経過観察によって、石が増大したり症状が悪化したりしないかを確認します。

・薬物療法

胆石を溶かすための薬物療法も選択肢の一つです。特定の薬物(ウルソデオキシコール酸など)を使用して、コレステロール結石を溶かすことが試みられます。ただし、この方法は効果が限定的であり、長期間の治療が必要な場合があります。

・胆嚢摘出術(腹腔鏡下胆嚢摘出術):

胆石症の一般的な治療法として、胆嚢摘出術があります。胆嚢を摘出することによって、胆石の再発を防ぎ、症状を解消することができます。現代的な手術技術である腹腔鏡下胆嚢摘出術は、小さな切開で行われ、回復期間が比較的短いです。

・胆管結石の場合の治療

 胆管に石が詰まっている場合、胆石の除去が必要となります。内視鏡的な手法や、外科的な手術が症状や状況により選択されます。

治療方法は個々の症状や状態によって異なるため、医師の指示に従うことが重要です。胆石症の治療は、症状の緩和や再発予防を目的として行われます。早期に医師と相談し、最適な治療方法を選択することが大切です。

2.胆石症の予防について

胆石症は生活習慣の積み重ねでおこる疾患と言えます。予防のためにも現在の生活習慣を見直しましょう。

・健康的な食生活

 コレステロール結石を予防するためには、食事の脂肪摂取量を制限することが推奨されます。飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の摂取を減らし、代わりにヘルシーな脂質(オメガ-3脂肪酸やモノ不飽和脂肪酸)を摂取することが良いでしょう。また、食物繊維を豊富に含む食品(果物、野菜、穀物)を積極的に摂取することも大切です。

・適度な体重維持

 過体重や肥満は胆石症のリスクを高める要因となります。健康的な体重を維持するためには、バランスの取れた食事と適度な運動を組み合わせることが重要です。

・適切な水分摂取

 十分な水分を摂取することで、胆汁の濃度を薄めることができます。これにより、胆石の形成を予防することができます。日常的に水分を摂り、脱水状態を避けるようにしましょう。

・適度な運動

適度な運動は胆石症の予防に役立ちます。運動によって胆汁の流れが促進され、胆石の形成を防ぐことができます。有酸素運動や筋力トレーニングなど、自分に合った運動方法を選んで継続することが大切です。

・過度なダイエットの回避

過度なダイエットや急激な体重減少は、胆石症のリスクを増加させる可能性があります。健康的な範囲での減量を心掛け、急激な体重変動を避けるようにしましょう。

これらの予防方法を実践することは胆石症だけでなく、高血圧や糖尿病などの他の生活習慣病を予防することにもつながります。ぜひ、できるところから見直していきましょう。

ただし、胆石症の予防方法は個人によって異なる場合があります。病歴や体質に応じて、医師の指導を受けることも必要です。定期的な健康診断や医師への相談を通じて、自身に合った予防方法を見つけることが大切です。